第53話 / 全71話

第53話

西華門。俺は青みがかった直垂に着替え、髪を男の髷にまとめた。鏡を見れば、科挙に受かったばかりの若い書生そのものだ。

小満は桃色の袄裙に白狐の毛皮を羽織り、まるで年賀絵から飛び出してきた福々しい子どもみたい。一番ひどいのは皇帝だった。灰色の木綿の着物に、使い古した帯。髪もわざと少し乱していて、どう見ても落ちぶれた浪人風。……なのに。あの目だけは隠せない。人混みに立っていても、ひと目で目を奪われる。