第32話 / 全71話

第32話

頭がぼんやりしている時だった。突然、彼が顔を近づけてきた。額が私の額に触れる。鼻先が、私の鼻先を軽く擦る。

太子の身体は、彼よりずっと小さい。この距離を保つために、彼は少し腰を屈めている。それでも。絶対に離れようとはしなかった。